――冷たい雨が雪に変わった、心あたたまる一日――
本日、札幌市清田区の【里塚幼稚園】では発表会の2日目が行われました。
わたしがこの幼稚園に関わって、もう27年。
毎年この季節になると、子どもたちの成長を間近で感じられるこの行事が、まるで自分の心を洗い流してくれるようで、特別な日となっています。
朝、外に出ると空はどんよりと灰色に沈み、冷たい雨が強く降っていました。
気温は5℃ほど、風も冷たく、時折みぞれが混じるほどの寒さです。
「今日は最悪の天気だな」と思わずため息がこぼれました。
けれども、幼稚園に近づくにつれ不思議なことに、雲のすき間から太陽の光が差し込み、まるで子どもたちの晴れ舞台を祝福するかのように、やさしく校舎を照らしていました。
朝早くからたくさんの保護者の方々が並んでいて、みなさんに「おはようございます。」と声をかけながら、体育館の裏口から入りました。寒い中、わが子の晴れ姿を少しでも近くで見たいと並ぶその姿に、あらためて“この行事がどれだけ愛されているか”を感じました。
太鼓の微調整をしていると、昨日も撮影に来てくださったビデオ業者の方が笑顔で声をかけてくださいました。
「今日も楽しみですね」と言葉を交わし、これから始まる演奏・演技に心が躍りました。
発表会は昨日と同じく、1クラスずつ「音楽」と「劇」の2つの演目を披露します。
今日は2歳児のクラスも登場することもあり、客席は前日よりさらに賑やか。
あたたかい拍手と笑顔に包まれた会場には、優しい空気が流れていました。
開演直前、外では再び大粒の雨が降り出し、体育館の屋根を叩く「バタバタッ」という音が鳴り響きました。
「これは大丈夫だろうか」と少し不安になったその時、子どもたちの元気な声がステージいっぱいに広がりました。
太鼓の音、ピアノの伴奏、そして小さな体からあふれるエネルギーが、雨音をかき消すように響き渡ります。
その瞬間、自然と胸が熱くなりました。
特に年中さんの太鼓演奏は圧巻でした。
全員の息がぴたりと揃い、リズムの中に“心”がある。
その音が体育館全体を包み込み、客席からは「すごいね!」「感動したね!」という声とともに、割れんばかりの拍手が起こりました。
先生方のご指導と子どもたちの努力が見事に実を結んだ瞬間でした。
そして全ての演目が終わり、拍手に包まれながら幕が下りたとき——
外に出ると、雨はいつの間にか雪へと変わっていました。
大粒の雪が静かに舞い降り、グラウンドをうっすらと白く染めていきます。
それはまるで、子どもたちの一生懸命な姿を讃える“天からの拍手”のようにも思えました。
冷たいはずの雪が、なぜか心の中では温かく感じられました。
今日のこの日のために頑張ってきた子どもたち。
その努力と成長、そしてそれを支える先生方やご家族の愛情が、確かにこの場所に積もっているように思えたのです。
2日間にわたる発表会、本当にお疲れさまでした。
雨から雪へと変わったこの日の空は、まるで子どもたちの成長を見届けた証のよう。
きっとこの光景は、心の中にずっと残り続けることでしょう。
